外壁塗装のペンキ(塗料)の種類とは?効果や選び方を知って家も暮らしも整えよう!
外壁塗装を考えると「どんなペンキを使えばいいのか」と悩む人もいるでしょう。
ペンキって選ぶのが難しいんです。私たちプロでも難しいです。
なぜ難しいのかというと、お家の外壁は
- 立地条件
- 気候条件
- 劣化状態
- 住宅の構造
- 求められていること
こういったことが全部違うからなんです。住宅の見た目は近い状態だったとしても、暮らしの中で重点を置かれていることは違います。
そのため「○○が一番です。これでいきましょう」なんて、すぐには決められません。
でも、外壁塗装を行うなら決めないといけません。そこで今回は、あなたの塗料選びの参考にしてもらいたい、ペンキの種類や選び方についてお話していきます。
目次
1: 外壁塗装のペンキ(塗料)の目的と効果
外壁塗装のペンキには目的や効果があります。
ただ外壁に塗れれば良いというものではなく、目的と効果を知った上で考えることが大切です。
(1)耐久性
専門的には「耐候性」と呼ぶこともあります。
外壁にペンキを塗った後、どれくらい塗ったときの状態をキープできるのかを表しています。
耐候性(耐久性)が高いほど、外壁塗装のペンキとしては優れた塗料と言えます。
日本工業規格(JIS規格)で等級が決められています。
1種:2500時間経過後に光沢の保持率が80%以上維持しているもの。
2種:1200時間経過後に光沢の保持率が80%以上維持しているもの。
3種:600時間経過後に光沢の保持率が80%以上維持しているもの。
一番優れた等級「1種」は、シリコン塗料やフッ素塗料が代表的です。
「2種」は、アクリル塗料やウレタン塗料と言った、従来から使われているものが代表的です。
(2)カビや藻への対策
ペンキの目的や効果は光沢の維持だけではありません。
外壁に発生する「カビ」「藻」を防ぐ役割も担っています。
外壁にカビや藻が発生すると、何となくネガティブな印象になってしまいます。
誰も住んでないように見られることもありますし、住人は手入れするのが苦手な人なんだなという印象を持たれることもあります。
(3)耐アルカリ性・耐酸性
化学変化によって色の変化を防ぐこと、酸性雨によるサビの発生を防ぐ目的や効果もあります。
どちらも住宅の見た目や、住宅内部の構造に影響を与えないための対策と言えます。
(4)防湿性
外壁には雨や風が当たります。
梅雨時期や台風の時期は、雨にさらされていることが多いものです。そうすると、外壁に当たった雨が原因となって、外壁内部に湿気がたまりやすくなります。
外壁内部にたまった湿気がそのままだと、内側からカビが発生する可能性もありますし、外壁塗装の表面にある「塗膜」が崩れ「ひび割れ」「膨らみ」の原因になることもあります。
こういったことが起こりにくいように、内部にたまった湿気を外へ逃がす力である「防湿性」をペンキは持っています。
(5)ヒビ対策
住宅は少しずつ変形しています。
特に地震が起こったときや、強い振動を受けたときなどは、住宅そのものが揺れることでバランスを保ちます。
そして、こういった動き(変形)によって外壁塗装も影響を受けています。外壁塗装がカッチリとして変形しないペンキだと、すぐにヒビ割れが発生します。
しかし、外壁塗装のペンキには「弾力性」を持たせてあるため、ヒビが簡単に入ることはありません。
(6)耐熱や断熱性
外壁は太陽の光を受け続けます。
そのため、ただのペンキだと日光の影響が室内へ直接伝わり、室内がとても暑くなります。
しかし最近のペンキは、太陽の光から受ける熱を遮断する性能を持っています。
反対に冬は、室内の熱を外へ逃がさない役割も果たしています。
快適な暮らしの維持に、外壁のペンキは関係しています。
(7)水への対策
親水性と耐水性があります。
親水性が高いと、外壁の汚れが落ちやすくなります。
耐水性は、外壁からの水の侵入を防ぐ性能です。
外壁で使うペンキの耐水性は高くなっています。高くないと雨漏りの原因になりますからね。
親水性は、選ぶペンキによって変わってきます。
(8)美しさ
外壁のペンキは、住宅を美しく見せるという役割もあります。
(9)衝撃から守る!
あまり知られていませんが、外壁塗装のペンキには、外から受ける衝撃から住宅を守る目的もあります。
(10)いつまでも美しく
簡単に洗浄して汚れを落としやすくするのもペンキの目的です。
また、洗浄(ブラシでゴシゴシしたり、水をかけたり)したときに、耐えられるだけの強さを維持するのもペンキの目的です。
2: 外壁塗装のペンキ(塗料)の種類
外壁塗装のペンキには種類があります。
(1)塗料にはグレードがあります
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- フッ素
上から下に向かってグレードが高くなっていきます。さらに最近は「無機塗料」「光触媒塗料」と呼ばれる高性能塗料も登場しています。
アクリル塗料は、耐久年数が5~7年と言われています。費用も安く済む塗料ですが、最近の住宅の外壁へ使われることは減ってきています。
ウレタン塗料の耐久年数は8~10年。費用もアクリル塗料より少し高めになります。住宅の外壁よりもベランダの塗装(防水工事)に使われることが多いです。
シリコンやフッ素塗料は、10年~15年の耐久年数が期待できると言われています。そのため住宅の外壁塗装で使われることが増えています。
費用はアクリルやウレタンより高くなりますが、耐久年数が長いため塗り替えの回数が減り、20年~30年のサイクルで考えると「結果、安かった」ということが多いです。
(2)使い方にも違いがあります
塗料には、1つの液だけで塗れるペンキと、2つの液を混ぜないと塗れないペンキがあります。
どちらが優れているかというよりは、どの部分を塗るのかで決めます。
簡単に安く何度も塗り替えるなら、1つの液だけで塗れる「1液型」。
耐久性を考えるなら、2つの液を混ぜる「2液型」。
外壁塗装業のプロがメインで扱うのは「2液型」です。
(3)硬さや弾力、光沢が違います
- 硬質塗料
- 微弾性塗料
- 弾性塗料
硬さや弾力性に違いがあります。かなりプロの領域です。
光沢にも違いあります。艶ありと艶なし(艶消し)です。
見た目の印象を決める要素になります。
3: 外壁塗装のペンキ(塗料)の選び方
基本的には、外壁塗装業者と一緒に選んでいくことになります。
ただ、次の選び方のポイントを知っておいてもらえると、あなたの理想の塗料が選びやすくなります。
STEP1:外壁塗料に求める機能や性質を決める
断熱や防水など、外壁に求める性質や目的を決めましょう。
STEP2:見た目の印象を決める
具体的には「色」を決めましょう。
ライジングなら、カラーシュミレーションを使って「どんなお家になるのか」を見ていただくことができます。
STEP3:仕上がり具合を決める
外壁の仕上がりを左右するのが「艶あり」「艶消し」です。
どの程度の艶にしたいのか決めましょう。
STEP4:予算と耐久年数
工事の予算と耐久年数を決めます。
ここで使用する塗料のグレードが明確になってきます。
4: 外壁の塗り替えで家も暮らしも整えよう
外壁塗装はペンキ選びで、費用も今後の住み心地も変わります。
高いグレードだけを選ぶ必要はありません。また、長く暮らす予定があるのに、今だけを考えて低いグレードを選ぶのもおすすめできません。
あなたの暮らしのスタイルやライフイベントも加味しながら、ベストな塗料を選んでいただきたいと思います。
5: まとめ
外壁塗装で悩むことの多いペンキ(塗料)についてお話しました。
塗料は一人で選びづらいと思いますので、まずは先ほどの4つのSTEPを参考に、あなたが外壁塗装に求めている目的を明確にしてもらいたいと思います。
目的が明確になりましたら、外壁塗装業者へご相談いただければプロの視点から適切なアドバイスをさせていただけます。
もし、お近くに相談出来そうな業者さんがいらっしゃらない場合は、ライジングまでお気軽にご相談ください。