外壁塗装で税額控除(減税)できる?知っておきたい条件や方法を解説
外壁塗装を考えたとき、気になるのは費用負担ではないでしょうか。
数万円で完了する工事ならそんなに悩まないかもしれませんが、外壁塗装となると50万円、70万円、少し塗る面積が広く塗料にもこだわると100万円を超えてしまうお宅もあります。
どのケースだったとしても、比較的高額な出費になるのが外壁塗装であることは間違いありません。
そこで、どうすれば少しでも費用負担を軽減できるのかを考えたとき、知っておきたいことがあります。
それは「税額控除」。いわゆる収める税金を少しでも軽くしましょうという考え方です。
今回は元銀行員の社長も居るライジングが、あなたの外壁塗装費用を軽減できるかもしれない方法として、税額控除について解説していきます。
1: 税額控除と減税とは
住宅に関わる減税や控除で有名なのが
- 住宅ローン減税
- 住宅ローン控除
このように呼ばれることの多い「住宅借入金等特別控除」です。
居住するための建物にローンを利用し、条件が合えば所得税の一部を控除(減税)することができると国が進めている制度です。
「住宅借入金等特別控除」は、年末での住宅ローン残高の1%分を所得税から控除しましょうというもので、
- 控除が受けられるのは最大10年間
- 控除額の上限は40万円
となっています。
サラリーマンの方であれば「年末調整」の用紙と一緒に、会社の経理や総務の方へ提出されているので見覚えがあると思います。
ただ「住宅借入金等特別控除」は、どうも「新築住宅を購入したときしか使えない」と間違った印象を持っておられる方も多いようです。
確かに「住宅借入金等特別控除」を利用するタイミングというと、新築購入か新築への建て替えが多いですし、これは私も銀行へ勤めていたころの印象からもそのように感じます。
しかし「住宅借入金等特別控除」の利用は、次のように定義されているのです。
次のいずれかの工事に該当するものであること。
増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
(注)「建築基準法に規定する大規模の修繕又は大規模の模様替え」とは、家屋の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除きます。)、柱(間柱を除きます。)、床(最下階の床を除きます。)、はり、屋根又は階段(屋外階段を除きます。)のいずれか一以上について行う過半の修繕・模様替えをいいます。
引用:国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm)
この定義でいくと、外壁塗装や屋根の塗装は「使ってOK」ということになります。
使えるのなら利用して、少しでも費用の負担を軽くしたいですね。
2: 外壁塗装で税額控除や減税を受けるときのポイント
外壁塗装や屋根塗装で住宅ローンを使えるとなると、元銀行員としてお伝えしたいことが出てきます。
それは、住宅ローンが完済されていない場合に、どのように外壁塗装のためにローンを組むのかということです。
ローンは、住宅ローンに限らず最も注意して考えるべきことは「金利」です。
どのようにすれば最も金利を少なくできるのか。この視点が大切になってきます。ほとんど場合、住宅ローンが完済されていない場合は、
- 住宅ローンの残高
- 外壁塗装の費用
この2つを「まとめて」借り換えすることから検討してください。
ローンは市場の金利相場やローンの種類によって金利が変動します。
そのため、まとめて借り換えると必ず金利が下がるとは言えません。
あなたが外壁塗装を行うタイミングと、住宅ローンの残高に合わせて借り換えがベストなのかどうか、お金に詳しい方へ相談してほしいのです。
できれば、
- 銀行の人
- ファイナンシャルプランナー
へ相談するのがベストです。でも、ちょっと相談しづらいなという場合は、ライジングのように銀行での勤務経験があり、銀行へもスムーズに話をつなげてくれる外壁塗装業者を選んでください。
ローン(お金)に関することは大変重要です。そのため経験や知識がない人に限って、「誰かに聞いたこと」を正しいように伝えがちです。
また、間違った話を信じてしまい、条件が合わなかったとか、借り換えしたら金利が上がったというような残念な思いを私はあなたにしてほしくありません。
条件が合えば住宅ローンを使えることは間違いありませんが、どのように使うのかは「お金の専門家」に相談してください。
3: 住宅ローン減税を使うときの注意点
続いて、外壁塗装で住宅ローンを使えるときの条件を見ておきましょう。
(1)登記上の床面積
外壁塗装なので床面積は塗装に関係ないのですが、住宅ローン減税を利用する場合には「リフォームの後の床面積が登記上50m2以上であること」が条件になってきます。
ここでのポイントは「登記上」という部分です。
図面を見ると床面積は50m2以上であっても、登記されている床面積が50m2以下であれば適用されません。
図面だけではなく、登記されている情報をチェックしましょう。
(2)ローンの期間
これはすぐにわかります。
外壁塗装のためのローンを10年以上の返済で組んでいる必要があります。
(3)所有者と住居者
控除を受ける本人が住宅の所有者であり、実際の居住者でなくてはいけません。
民泊などはNGということです。
(4)耐震性能
建物が「耐震性能を持っている」ことを証明できる必要があります。
「どうだろう?」と思われた場合は、外壁塗装と一緒に「住宅診断」をされておくことをおすすめします。
(5)合計金額
あなたの所得合計が3000万円以下でないと適用されません。
サラリーマンの方であれば、メインの所得は「給与所得」です。
定年退職後の方であれば、「退職所得金額」にも注意しましょう。
他には、副業をされている場合や、遺産相続された結果「不動産所得」「山林所得金額」があれば、これらも合計して考えます。
一般的な会社員の方であれば「給与所得」だけ見れば問題ありません。
(6)工事費用
これが見落としがちなのですが、外壁工事の費用が100万円以上でないと適用されません。
また「住宅の主要部分の工事費用」という定義もありますので、住宅だけではなく倉庫や塀やフェンスなどを一緒に塗装したとしても、これらは工事費用の条件に含まれません。
どの部分の工事費用がいくらなのか分かりづらいですが、外壁塗装を請け負った業者さんが証明書を作ってくれますので、依頼しておけば安心です。
(7)居住時期
外壁塗装の工事が完了してから、6ヶ月以内に居住していないと適用されません。
また、控除を受ける年の年末まで住んでいないと適用されないという条件もあります。
ただ、この条件は普通に暮らしている方なら、自動的に対象になります。
4: 減税するには手続きが必要
こういった減税や控除は、こちらから手続きをしないと教えてはくれません。
(1)申請書類
以下の書類が必要になってきます。
- 住民票
- 残高証明書(住宅ローンがあるかどうか)
- 登記事項証明書
- 工事請負契約書
- 源泉徴収票など(所得が確認できるものならOK)
- 耐震基準適合証明証など(耐震性能を確認できる書類ならOK)
外壁塗装を依頼する業者さんに聞いてもらっても教えてくれます。仮にここが分からない業者さんであれば、依頼するのを考え直した方がいいと思います。
(2)手続き方法
住宅ローンのときと同じで、対象年の翌年に税務署へ確定申告します。
サラリーマンの方は確定申告をする機会も少ないですから気をつけておきましょう。
(3)ややこしい手続きも安心できる方法
こういった申請書類や手続き方法って面倒ですね。そして、ややこしいですね。
ですから、外壁塗装を検討するときには、塗装の技術や工事費用で判断することも必要ですが、お金に関する相談ができることも大切な要素になってきます。
ただ外壁塗装工事をするだけではなく、快適な暮らしを長く続けるために必要な「お金の悩み」も一緒に相談できる業者さんを選んでください。
5: まとめ
外壁塗装や屋根塗装でも、条件を満たしていれば住宅ローンを利用することができます。
そして、住宅ローンを利用することで税金の負担を軽くし、少しでもあなたが受ける「お金への負担」を少なくしてもらうこともできます。
外壁の出来映えと一緒に「お金のこと」も考えてみてください。